2020年、コロナ禍でZ125PROの最終販売アナウンスがあり、このタイミングを逃すと新車は難しい。そこで9月中旬にショップへ予約をお願いしたところ、2020年10月の発売日に納車されました。そこから5ヶ月、ほぼ毎週モンキー125と一緒に近場から1泊ツーリングに使ってみた感想を紹介したいと思います。
車名・型式 | Z125 PRO・2BJ-BR125H |
全長(mm) | 1,710 |
全幅(mm) | 750 |
全高(mm) | 1,005 |
軸距(mm) | 1,175 |
最低地上高(mm) | 155 |
シート高(mm) | 780 |
車両重量(kg) | 102 |
乗車定員(人) | 2 |
最小回転半径(m) | 2.1 |
エンジン種類 | 空冷4ストローク単気筒/SOHC 2バルブ |
総排気量(cm³) | 124 |
内径×行程(mm) | 56.0×50.6 |
圧縮比 | 9.8:1 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 7.1[9.7]/8,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 9.6[0.98]/6,000 |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション |
始動方式 | セルフスターター |
点火装置形式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
燃料タンク容量(L) | 7.4(内、予備タンク約1.8) |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
変速機形式 | 常噛4段リターン |
変速比 1速 | 3.000(36/12) |
変速比 2速 | 1.937(31/16) |
変速比 3速 | 1.350(27/20) |
変速比 4速 | 1.086(25/23) |
一次減速比/二次減速比 | 3.409(75/22) / 2.142(30/14) |
キャスター角(度) | 26° 00′ |
トレール量(mm) | 69 |
タイヤ 前 | 100/90-12 49J |
タイヤ 後 | 120/70-12 51L |
ブレーキ形式 前 | シングルディスク 200mm(外径) |
ブレーキ形式 後 | シングルディスク 184mm(外径) |
懸架方式 前 | テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 30mm) |
懸架方式 後 | スイングアーム |
フレーム形式 | バックボーン |
生産国 | タイ王国 |
KAWASAKI Z125PRO スペックの詳細はこちらをクリックして公式ページをご覧ください。
足つき
小柄な方が気になるZ125PROの足つきです。身長158cmの奥さんも「余裕で」とまでは言えませんが、両足が地面に付くので大変安定して停車できます。信号待ちでも渋滞でも足つきが良いので、かなりストレスが軽減しているようです。本人曰く「カラダの疲れが激減した」ということです。
Z125PROの足つきで注意しておきたいのがステップです。身長のある方なら気にならないかもしれませんが、158cm前後の方ですとステップの後ろ側に足を出すことになり、スネ部分に当たって痛い。慣れれば自然に足が回避するのですが、それまでは「青アザ」が出来ていました。
ハンドリング
ハンドル幅が広めなので、若干オフっぽい印象があります。ハンドルの絞り角度だけ見るとバリオスⅡの方が手前に絞れていた印象です。しかし、このハンドル幅によって走っていても大変安定します。ストレスなく左右に切れますし、フルロックもスムーズです。
狭いところでも、「ホイホイ!」って感じで楽にUターンしております。
メーター
見やすさには問題ありません。昼でも夜でも見やすいです。キーをONするとタコメーターの針が「ギュ~ン」と回ります。これ、気分の上がる演出です。
Z125PROのメーターで特徴的なのは、タコメーターはアナログ、スピードはデジタルという部分です。他にも次のような機能がメーターに付いています。
- デジタル時計(これは大変便利と大喜びです!)
- 燃料計
- シフトのインジケーター(何速に入っているかわかりやすい)
これだけ揃っているので走る分には不足ありません。距離計は通常の距離計と2つのトリップ(AとB)が付いています。
メーターで唯一困るのが、メーターの位置です。視線を下に降ろさないと読みづらいので、調子よく走っているときにスピードを確認すると、視線が前方から外れるので不安になります。慣れれば気になりませんが。
積載性
荷物を載せやすくなるキャリアは標準装備ではありません。カワサキ純正のキャリアが用意されていますが、あまりにも「デザイン的にどうかな」というパーツだったので便利そうではありますが「キャリアなし」で過ごしています(ショップからも「キャリア、いらんでしょ。かっこわるいし。」ということです)。
積載性については、Z125PROのスタイルから見てもわかりますが「ほぼゼロ」。あえて積載性を上げるなら、タンデムシートを使えることです。
積載性アップの方法
積載性をアップする場合、一般的には次のような方法を考えます。
- タンクバッグ
- シートバッグ
- サイドバッグ
- バックパック
奥さんは、近場を走るときは「シートバッグ」。ロングツーリングのときは「サイドバッグ」という構成になっています。この構成になった理由は次の通りです。
- タンクにマグネットが付かないのでタンクバッグが選べない
- バンド式のタンクバッグは取り外しが面倒なので却下
- バックパックは窮屈なので却下
どんな風に取り付けているのかは、別のブログでお話します。
二名乗車可能
Z125PROは二名乗車可能です。そのためタンデムシート、シートベルト、タンデムステップがあります。ということは、後ろなら荷物を積載しやすいということです。ツーリングネットやロープを引っかける部分もあります。モンキー125と違うところです。
座り心地
見た目「硬そう」に見えますが、お尻が痛くなりません。去年の10月に遠出したとき、4時間くらい走り続けましたが、お尻は全く痛くないということでした。
ちなみに以前、4速ミッションのグロムをレンタルしたとき、奥さんも乗っていましたが走り出してしばらくすると「お尻が痛い!」と叫んでましたので、Z125PROはかなり良く出来たシートだと言えます。意外にロングツーリング向きです。
足回り
モンキー125ほどではありませんが、ギャップがあると上下に跳ねます。大きなギャップはスタンディングか中腰でクリアしています。
リアサスはカワサキさんお得意の1本サスで右側へ寄せた設計になっています。これはZ250やZ400とかと同じです。ホイルベースが短いのでギャップを感じやすいですが、サスペンションそのものは適度な硬さでスムーズに動いています。走りやすいセッティングです。
ブレーキ
良く効きます。前後ディスクブレーキなので不安はありません。特にリアが思っているよりも効くので、油断するとリアがロックしてスライドします(何度かさせてました)。
フロントブレーキのレバーですが、手の小さい人は渋滞に入ると右手が痛くなってくるようです。そういう場合は、カワサキ純正部品で対処できます。
走り
モンキー125と同じように、国道163号線、24号線、307号線、1号線、422号線などを走っていますが、ダンプカーや大型トラックから煽られることもなく流れに乗って走れます。
上り坂もモンキー125より上っていきます。250ccではありませんのでパワーに余裕はありませんが、少し回し気味で走るとグングン前に走ります。前に進むトルク感は、モンキー125と違います。モンキー125は「まったり」前に行きますが、Z125PROは「グン!」と前に行きます。このサイズのバイクにしてはスポーティーです。
走りに関するスポーティーさで言えば、グロムより上の印象です。Z125PROは「回して走る」バイクなのでしょう。
燃費
これまでの平均ではリッター50km前後です。ロングツーリングでもリッター56kmくらいです。燃費という部分だけを考えると、125ccにしては「あまり良くない」と言えます。
ただ燃料タンクが7L入るので、満タンだと300km近くは走れる計算です。燃費は気にせず、ガンガン回して走りたいですね。ただ、燃料メーターが点滅したら低燃費走行(4速キープ)を意識して給油しましょう。
排気音
排気音ですが、ほとんど聞こえません。アイドリングが高いときは「ボボボボー」と聞こえますが特徴的でもなければ、気分が高揚する音でもありません。単気筒4サイクルの音です。
走っているときも同じように排気音はほとんど聞こえません。エンジン音が聞こえます。ヨシムラのマフラーなどに交換した方が、走っていて気分が上がることは間違いありません。
総合評価
取り回しが楽。足つきが楽。小回りが楽。結構走る。重くない。125ccでもスポーティーな走りを求める方におすすめです。回して走りたい人だと、より楽しめます。値段も今となっては「お手頃」価格です。