Z125PROのカスタムというと、一般的にはマフラーやキャリパー、ブレーキホースなどがカスタム箇所になります。しかし、年齢を重ねていくと見た目に分かるカスタムって、ちょっと恥ずかしい気分もあって、なかなか手を出すことができません。しかし、今回お話するフロントブレーキーレバーの交換カスタムは、所有者である奥さんの「絶対」希望。

がんばってショップのメカニックの方に、あれこれ考えていただきました。その結果を紹介します。

Z125PROはカスタムの必要が感じられないバイク

Z125PROって、良く出来たバイクだと思います。個人的な感想ですがレンタルして走ったグロムよりも良く走ります。モンキー125とは比較になりません。グイグイ前に行きますので、排気音にこだわりがないのならマフラー交換も必要ないと思っています(レースやジムカーナ等を目的にする人は別です)。

また、キャリアを付けると積載という意味では便利ですが、スタイル的には「何とかならないかな」という雰囲気になりますので、積極的なカスタム項目にはなりません。このようなバイクなので、クロスカブやハンターカブのように、カスタムして楽しめむバイクではなく、できればノーマルのまま走りを楽しみたい。そんな位置づけのバイクだと思っています。

もしカスタムするなら、パッと見ても分からない部分に手を入れたいですね。例えば、ブレーキディスクとか。

今回のカスタム要望の理由

このように感じて乗っているZ125PROですが、去年10月のツーリング(閉店した「丹波の里やまがた屋」へ行ったブログ)で慣らし運転(1000km)が終わる頃、偶然ですが国道9号線の「ガレリアかめおか(亀岡)」近くで渋滞に巻き込まれました。モンキー125に乗っている私は「125ccは渋滞でも楽だなぁ~」と、のんきなことを思っていたのですが、ふと横を見ると奥さんが「めっちゃ右手が痛い!」と言っているんです。

最初、私は右手の痛い理由が分かりませんでした。でも、信号で止まっているときに話を聞くと・・・。

  • 慣らしが終わった(感じの)頃からブレーキが「カツン」効くようになった(これはうれしい)
  • でもブレーキレバーが遠い位置で効くようになった
  • 渋滞に入ってブレーキレバーを何度も握ることが増えるとレバーが遠くて手が痛くなる

なるほど、手の小さい方(女性に多いです)に多い悩みです。

何としてもブレーキレバーの位置を調整したい!

Z125PROの純正ブレーキレバーは、バリオスやZXRやZR7のように、レバー位置をダイヤルで簡単に調整できません。そこで定番ですが、社外品のブレーキレバーを探しました。一般的に「ショートレバー」と呼ばれるレバーや、ダイアル調整機能のついたレバーです。

インターネットで検索すると、あるわあるわ・・・。バイクが倒れたとき、折れにくい可倒式のものもあります。レバーの色もカラフルです。材質もアルミとか。いかにも「カスタムしてます!」って感じになりそうです(値段も純正より割高です)。

ただ、そこが狙いではなく、単純に「手の大きさに合わせて快適に操作したい」という要望なので、こういう部品が必要なのかなと思いつつ、「カスタムパーツに交換しないと解決しないよね」という結論になり、ショップへパーツを注文しに翌日向かいました。

うちは二人とも自分で交換する気は全くありません。ショップにお願いします。

社外品を選ぶのは「おすすめできません!」

ショップで、これまでの経緯と交換したいパーツの話をすると、意外な答えが返ってきました。

「社外品は操作しづらいんですよね~。見た目はいいけど。レバーに角とかあるし。レバーは純正が一番なんです。社外品はおすすめできません!」

ということで、カスタム目的ではないため社外品ブレーキレバーへの交換は却下となりました(売らないショップです)。でも、奥さんは何とか解決したい。そこでプロの対策が出てきました。

プロの目でやる正しいカスタム方法

「ん~、何かあったと思うんです」と言いながらパーツ置き場を探すショップの人2名。

「あ~、あったあった!これ、いけるんちゃう?」

ということで、出てきたのが下の袋に入った「KAWASAKI純正ブレーキレバー」。このブレーキーレバーだったら純正だし、レバー位置も無段階調整できるしOK。

カワサキ純正パーツです。オフ車用のレバーかと思います。

純正レバーを外して、後から出てきたレバーに交換。すると、レバー位置が近くなりました!実際に乗ってみても操作性は純正ブレーキなので不安なし。ブレーキの効きもブレーキランプも問題なし。

上が交換したレバー。下が最初から付いていたレバー。

これで見た目はフルノーマルな雰囲気のまま、地味カスタムが完成しました。やっぱりプロの知識と経験はすごいなと思います。

z125proのFブレーキレバーを純正パーツでカスタムすると手の小さい人でも使いやすくなります
見た目ノーマルな仕上がり。でも、ちょっと違う。

注意点はレバーとグリップの間に見える「黒いネジ」と「黒いナット」。この2つの部品はレバーに付いていないので、レバーに合った部品を一緒に手に入れましょう。レバーと一緒にパーツリストに載っていますのでショップの人に確認してもらってください。

この部品がないと使えません

もう一点、ブレーランプのスイッチのチェックもしておきましょう。うまく動作しないと、ランプが付かないか、付きっぱなしになります。

ここが動作しないと、ブレーランプが付かない、または付きっぱなしになります。

純正部品で対策できた!

おそらくですが、グロムやモンキー125でも、HONDA純正レバー(オフ車用)を利用すると、同じようなことが出来るんじゃないかと思います。

純正レバーに不満はないけれど遠くて引きづらい。手が小さくてレバーを引くのがつらい。うちの奥さんのように手が痛い。でも見た目は変えたくない。そんな方は、行きつけのショップに相談してみてください。経験豊富な担当者がいらっしゃれば、倉庫の奥から取り付けられる純正レバーが出てくるかもしれません。

純正レバーは「安い・操作性が良い・すぐ手になじむ」三拍子揃ってますのでおすすめな選択肢です。カスタムの本質って「工夫」なんだと思います。