2022年3月13日(日)は、なんと予想気温が4月中旬と同じくらいの20℃超え。これはバイクに乗って走らないと勿体ない(勿体ない理由はバイク乗りにしかわからない)。

でも、名所や名物のあるところは人と車とバイクでいっぱい。また帰ってくる時間が午後4時を過ぎると、国道24号線へ出る道(国道307号線や国道163号線)が渋滞することは間違いなし。これはイヤ。

特に目的地はなく、ただ気候が良いのでスイスイ走りたいというだけなので、快走できるルートを走ってきました。

今回のルートは2か所くらい少し混む区間はありますが、基本的には信号が少ないのと、人が集まりにくい場所を選んでいるため「ほぼ」渋滞知らずで快走できます(名所や名物目的ではなく走ることが目的のルートです)。

こういうルートなので、冬眠していて2~3ヶ月ぶりにバイクに乗る人や、春からバイクデビューされた方の慣らし運転やソロツーリングの練習にも使えます。特に慣らし運転の場合、このルートだと1回走ると約100kmなので、10回走れば慣らし運転が終われます。125cc以上なら、5回くらいこのルートを走って、残りは高速道路を2回走れば1000kmの慣らし運転期間を終われます。

ぜひ、京田辺市、木津川市、精華町、綴喜郡、相楽郡に在住されている(その近郊在住の)バイク初心者の方が自分の「定番ひとりツーリング」コースとして長く楽しんでいただければ幸いです。

みんなの動きに合わせないルートを設定

今回のルートでは国道24号線、国道307号線、国道422号線、国道163号線の4つを使います。

[A]~[B]で国道24号線。[B]~[C]、[C]と[D]の中間くらいまで国道307号線。そこから[D]と[E]の中間くらいまで国道422号線。[F]~[G]までが国道163号線です。

対向を走るライダーも多いので、手を振りながら走って楽しむこともできます。

それでは各国道の特性を見ておきましょう。

国道24号線ですが、通勤時間は渋滞します。特にJR木津駅西側の交差点、国道163号線へ別れる交差点周辺(JR上狛駅近郊)、国道307号線との交差点から北側です。

国道163号線ですが、ここも通勤時間は車が増えます。ただし伊賀方面へ向かうルートは信号が少ないのでゆっくりでも流れます。止まってしまうときは事故か工事をしているときです。西へ向かう(国道24号線へ向かう)部分は滅茶苦茶渋滞します。

国道307号線ですが、朝の通勤時間は宇治田原町へ向かう車やバイクが増えます(工業団地があるため)。夕方の帰宅時間は京田辺や城陽へ向かうと混みます。それ以外の時間帯は比較的流れています。

国道422号線ですが、信号も少ないので流れています。

ということが経験からわかっているので、これらの流れを考えた「みんなの動きに合わせない」ルートを設定してみました。

まず混雑する時間帯を避けるため、走り始めたのは午前11時過ぎ。この時間帯での国道163号線は木津川市方面から奈良、笠置、伊賀方面への動きが多いため、少し遠回りになりますが通勤渋滞が終わっている国道24号線と国道307号線を使うことにしました。

国道307号線で信楽まで走り、信楽で混雑する手前で国道422号線を経由し伊賀コリドールロード(広域農道)と地元の道を使い、最後は16時までなら流れる国道163号線を使って帰宅ルートへ。

80%以上の区間でスムーズに走ることができるルートです。また、長い直線や程よいコーナー、上り下りもあるので初心者の方のツーリング練習ルートとしてもおすすめです。

後方から煽られそうになっても道幅がそこそこあるのと、バス停がポツポツあるのでそこを利用しつつ、左ウィンカーを点滅させて後方の乗り物を先に行かせやすいのも良いところです。

3月は城陽でも梅が楽しめます

Googleマップの[A]木津川市からスタートし、木津八幡線を北上。三山木の交差点を右折。右折後は直進し玉水橋を渡って左折し、渋滞が終わっている国道24号線へ入ります。

玉水橋から
国道24号線を北へ

国道24号線を北上すると、信号のない分岐が出てきますので対向車に注意しながら右折します。

ここを右折

右折すると左手に「南谷川」が流れています。

左手に川あり

川沿いを100mほど直進すると府道70号線(上狛城陽線)と交差しますので、ここを左折して北上。このコースは国道24号線から国道307号線へ入る渋滞回避ルートとして地元では使われています。

府道70号線を北へ

田園の中を進むと右手に「JR山城多賀」の駅舎が見えてきます。何もないところにポツンとありますので目立ちます。ある意味「ランドマーク」ですね。

JR山城多賀駅

道なりに進んで行くと、前方に国道307号線が見えてきます。

前方に国道307号線

ゆるい上りの先には、国道307号線へ出る交差点がありますので、右折レーンへ入って行きます。

左右の通りが307号線なので右折レーンへ

ここで右折して国道307号線を東へ向かって走っていきます。

307から見る城陽方面の集落
渋滞なくスムーズな流れ

国道307号線(Googleマップの[B])を東へ向かって進みます。

しばらく進むと「青谷」地区へ入って行きます。青谷地区は「青谷梅林」として有名なんですね。そのため、3月になると走りながら梅を楽しむことができます。

道路沿いに梅が咲いています
次々と梅の木が見られます
梅林です

バイク初心者の方で「月ヶ瀬梅林まで行きたいけれどまだちょっと行けないな」という気持ちが強ければ、青谷の梅を楽しんでください。季節を感じつつバイクライフも楽しめます。

点在する梅の木

梅を見ながら国道307号線を進んで行くと交差点「郷之口下町」が出てきます。

郷之口下町の交差点

交差点を右折して宇治田原方面は向かうのですが、前方を見ると風景が様変わりしていることに気づきました。第二名神だと思うのですが、道路の一部が建っています。

謎の石物にならないことを祈る

城陽も激しく工事していますが、京都府南部の郊外の景色も少しずつ変化しているようです。「緑がいっぱい」と思っていましたが、5年後くらいには「道路でいっぱい」になっているかもしれません。ツーリングするものとしては複雑な心境です。

国道307号線で信楽へ

交差点を右折して宇治田原~信楽方面へ走っていきます。宇治田原地区は人も車も多いので、飛び出しに注意しながら走りましょう。

宇治田原の中心部を走行中
滋賀へ抜ける車も多い

3桁国道なので、ところどころ道幅が狭くなります。前方から大型車がやってきたときはキープレフトです。センターにトラックがはみ出してきたらぶつかりますのでリスク回避しておきましょう。

狭い部分は対向車のはみ出しに注意

かなり暖かい日なので前を行く車や、すれ違うバイクも多いです。

観光の車が増えた
バイクもよくすれ違う

大杉トンネル(Googleマップの[C])に近づくと、道路事情が改善します。走りやすくなります。

この辺から走りやすい

トンネルを抜けると奥山田バイパスになります。道は整備されているのですが、バイクが嫌いな「縦溝」が入っているので慎重に走りましょう。タイヤが溝に取られることがあります。

継ぎ目と縦溝はキライ
長い距離に縦溝あり

バイパスを抜けると、3桁国道らしい状態に戻ります。昔からある国道307号線です。

この差はナニ?
ガッツポーズで走るZ125PRO

ここから10年前くらいですと「裏白峠」をグネグネ曲がって越えていたのですが、今では「裏白トンネル」が出来ているので安心して楽に山越えできます。

このトンネルの意義は大きい
トンネル内は美しい

峠を走るのが楽しい年齢だったら「物足りない」かもしれないですが、今となっては「大変ありがたい」トンネルです。トンネルを抜けて進むと、和束町の北側(滋賀県側)へ出てきます。

すぐ先を右折すると和束へ行けます

かなり郊外です。そして郊外に設置されることが増えた「太陽光パネル」も目に入ります。

斜め中空設置の太陽光パネル

ここの太陽光パネルは、柱があって太陽の方向へパネルを傾斜させています。

遠目見ると違和感あり
下から見たところ

他府県でも見かけたことのないケースです。

企業のテスト設置か?

太陽光パネルって本当に儲かるんだろうかと思いませんか?パネルは劣化しますから交換しないといけないはず。ということはパネルを廃棄して新しいパネルを購入して交換作業をしないといけない。今の時代、購入よりも廃棄に費用がかかりますから、差し引きするとどれだけ利益が出るんでしょう。かなり謎なビジネスだなと感じますが、もし儲かるならやってみたい気持ちはあります。

というようなことを考えながら、国道307号線を進みます。

東へ快走中

道なりに進むとお茶で有名な「朝宮」へ入って行きます。

朝宮茶で有名

朝宮周辺では、走りながら茶畑を楽しむことができます。季節によって色合いが変化しますので、いつ走っても景色を楽しめます。

茶畑を撮影するモンキー125
朝宮の茶畑

信楽から国道422号線で伊賀へ

朝宮を越えると信楽町中野になります。住所が「信楽」になった途端、狸の置物が登場するのです。信楽は狸に支えられているのを感じる瞬間です。

巨大狸がお出迎え
アップにした狸
観光客を待ち受ける狸達
夏っぽい装いの狸
狸の三連星
左のは絵コンテ崩壊でしょうか?それとも痩せすぎ?

個性豊かな狸の巨像群を通過すると、国道422号線への標識が出てきます。ここを右折して国道422号線へ入ります。この交差点が「立石橋」です。

307と422への分岐
左折して422へ

立石橋の交差点ですが、ここを直進すると信楽駅や陶芸の森があります。そのため休日は混雑します。名所めぐりが目的なら直進してもらいたいですが、走ることが目的なら右折して混雑を回避しましょう。GWなどは半端じゃないくらい陶芸の森の入り口が渋滞します。

立石橋の交差点を右折して国道422号線に入ると、次に分岐する(Googleマップの[D])まで7kmくらい快走路になります。

まったりと走ってください
景色と季節感を楽しみましょう

とにかくまっすぐです。バイク初心者の人も安心して走れます。スムーズに流れるのでスピードの出し過ぎに注意しましょう。

開けたくなりますが慎重に

こんな感じの道が続きます。

走ることが楽しい時期に最適

天気のいい休日は、すれ違うバイクも多いです。

Googleマップの[D]に近づくと、伊賀コリドールロードへの標識が出てきます。突然出てくるように感じますので、距離計で予想して走っておきましょう。

ここで減速して右レーンへ
見にくい標識ですが書いてあります

標識に従って右折し、三重県の広域農道である「伊賀コリドールロード」を走ります。

右折で山の中へGo!

伊賀から広域農道で西山の棚田展望公園

広域農道は大変走りやすくなっています。

めちゃ走りやすい

バイク初心者の方や、慣らし運転中の方にはうれしい区間です。一定の速度で走れますし、後方からスピードの速い車やバイクが迫ってきたら、左へ寄って安全にパスさせやすいです。

狂ったような走りの人は先に行かせましょう
自分が楽しめる速度で走ることが大切です

パワーの小さいZ125PROも、こんな風に快走できます。

平坦なので後方から迫ってきた!
コーナーのたびに近づいてくる!
ぴったり着かれた!Z125PROは速い

どう?バイク乗りにはうれしい道じゃないですか。

初心者の方に最適です
バイクとカラダの慣らし運転にもぴったり

右手に「山のたまご」の看板が出てきたら、細い道へ入るため減速の準備しておきましょう。

この看板が目印

このまま直進して坂を上って、下りの左コーナーを過ぎると、細い道が右手に出てきます。

こんな風に右に入ります。

出典:Googleマップ

Googleマップのピン付近をストリートビューで見てもらうとわかりますが、ポールが立っているので入れないように感じます。が、大丈夫です。入れます。

右折して細い道に入り「やぶっちゃの湯」「伊勢農場」「タラオカントリー」の看板が示す道を進む(右折する)と集落に出ます。

集落があるので自転車と歩行者に注意
農作業の車もあるので慎重に

山へ向かって進みます。標高が上がってくるのが展望からわかります。

伊賀市街の展望が開けます

山道を進むと、下りの交差点が出てきます。

信号の無い四差路なので一旦停止で確認

この交差点を直進すると、広域農道である伊賀コリドールロードが続きます。今回は人や車の少ない快走ルートを設定していますので右折していきます。

矢印の方向へ

右折した道を進むと、上り坂になります。

上りのコーナーは走りやすい

そしてまわりは、田んぼばかりに。

山がすぐそこ

こういう風景が見えてくると、今回の休憩ポイントでもある「西山の棚田展望公園」が近づいています。

西山の棚田展望公園

道沿いに、わかりやすい看板が立っています。

絶対に見落とさないはず

下り坂になっていますので、ギアを1速に入れたままキルスイッチでエンジンを切ってクラッチを離し、バイクが勝手に動いていかないことを確認してからスタンドを立てて下車してください。

1速が入ったまま停車中

バイク初心者の方に多いのですが、「バイクを停車する=ニュートラルにする」という癖がついていると、こういう場面でバイクが勝手に動いてしまい転倒します。ロングツーリングに行くと、必ず一か所くらいはこういうシーンに遭遇しますので、「バイクを停車する=1速に入れてエンジンを切る」という癖をつけておかれることをおすすめします。

さて、ここでは西山の棚田展望公園について紹介します。

この公園は比較的最近に地元の方の力で作られた公園です。そのため、まだまだ有名なスポットではありません。

国の指定を受けています

しかし、有名でないからこそ、静かにゆっくりとくつろげる場所でもあります。

「棚田展望公園」という名称がついているだけあり、眼下には棚田が広がっています。

展望公園から見た棚田
足元に広がる棚田

田植えシーズンや稲刈りシーズンに来訪すると、とても美しい景色が待っているはずです。

また、こちらの展望公園ですが、ちょっとずつ手が入れられていることに気が付きました。以前訪問したときから比べると、次のような変化がありました。

(1)ミツマタが植えられている

まだ小さいミツマタ
大きく育ってほしいなぁ
もう少しで花が咲きそう
色づき始めています

(2)ホワイトジンジャーが植えられている

マニアックな選択です

(3)ネコヤナギが植えられている

群生を計画中でしょうか

(4)歩きやすいように歩道ができた

コンクリートの歩道
去年の12月のようです
奥まで作られています

(5)東屋に居たマネキンが居なくなった

ここにピンクの服を着たマネキンが居たのですが・・・

このように、少しずつ新しい取り組みが行われているようです。

展望公園から国道163号線で大河原

展望公園で休憩したので、ここから国道163号線へ向けて走っていきます。

下りの道を出発します

下り坂での発進なので、初心者の方はご注意ください。まずはバイクへ跨ってからスタンドを外し、後ろブレーキを踏みます。続いてキルスイッチがOFFになっているのを確認。その後、キーをONにしてクラッチを握ってミッションを切った状態でセルを押してエンジン始動。ギアは1速に入ったままなので、後方確認したら発進できます。

下り坂の発進で怖いのは、エンジン始動するときや、ギアを1速に入れるときです。勝手にバイクが前に進んでしまい、足が届かなくなって「立ちごけ」ということもあります。ですから、かならず1速が入った状態(バイクが勝手に前に進まない状態)からエンジン始動してほしいと思います。ツーリング先での立ちごけは、その後の予定を変更することになります。また、心理的なショックが大きく、帰りのルートを楽しむことができません。さらに、遠地へツーリングへ行っているときは、1回の些細な立ちごけでレバーやステップが折れてしまい、ツーリングを続けることが難しくなることもあります。

上り坂や下り坂は当然ですが、平坦な場所での停車と発進時も「勝手にバイクが動かない」状態からスタートするような習慣を初心者の方はつけておかれると、長く安全にバイクを楽しむことができます。

見晴らしのいい直線

展望公園から出発すると、南に向かって棚田が広がっているのを見られます。このあたりは比較的田植えが早いので、来月くらいには始まっているので再訪したいと思います。

広がる棚田

田舎道を走っていきます。山の中を走りますのでアップダウンがあります。

上りを走行中
下りを走行中

見通しの良い直線もあります。バイクデビューされたところの方にとっては、バイクの楽しみを体感できる区間です。

笑えるくらいまっすぐ
平坦なので走りやすい!

島ヶ原にある「やぶっちゃの湯」の前に出てきました。橋を渡ります。下に流れているのは木津川です。

橋を渡ります
橋の上から見た木津川上流方面

前方のT字路を右折して、国道163号線へ向かいます。

Googleマップのルートでは右折

この辺で一度休憩したい方は、左折して道なりに走ると右手に「ファミリーマート伊賀三軒屋」がありますのでイートインで休めます。または、右折して進んでバイクが集まる「道の駅みなみやましろ」を利用することもできます。私たちは左折していつも利用している「ファミリーマート」で休憩してから戻ってきました。

ファミリーマートから旧163を西へ
ドンドン走るZ125PRO
点になったZ125PRO

やぶっちゃの湯から国道163号線へ向かうために「大和街道」を使っていきます。旧163号線です。

旧163を走行中
スタンディングすると視点が変わって楽しい

国道163号線へ出たら右折して京都方面へ。

国道163号線を笠置方面へ
木津川に沿って走行
今日はすれ違うバイクが多い
野殿の交差点を通過(ここから三国越林道へ入れます)

大河原から笠置~加茂経由で渋滞回避

北大河原バイパスの手前を左折して府道82号線へ入ります。こちらの方が交通量が少ないので、ゆっくりと余裕をもって走れます。

旧163号線です
JR関西本線の高架をくぐります

笠置キャンプ場を見ながら国道163号線を西へ向かって進みます。

まだまだキャンプ流行ってます

笠置でも梅が咲いています。

梅が8分咲き
集まっている部分もあります

笠置を過ぎて国道24号線が近くなると、渋滞することがあります。特に和束へ向かう府道5号線との交差点から西側で渋滞します。そのためGoogleマップの[G]のポイントから加茂地区を経由するのがおすすめです。

恭仁大橋を渡って加茂へ

奈良方面や京都南部へ帰る方はこっちの方が早いです。

今は亡き「アトラス」のグローブ

城陽や京田辺、精華町などへ帰る方も、一旦こちらのルートへ入ってから木津八幡線や西側の山手幹線、125cc以上なら京奈和自動車道を使うのがいいですね。

ガソリン高すぎ

その方が絶対にストレスが少ないです。

夏用グローブでも大丈夫な日でした

さいごに

渋滞を避けて走れるので初心者の方や、慣らし運転をしたい方に使えってもらいやすいルートを紹介しました。今回のルートは108kmなので、下道だけで約4時間くらいの工程です。初心者の方でも疲れない距離だと思います。

108km

こんな風にルートを設定すると、バイク初心者方も余裕をもって「ひとりツーリング」が楽しめます。

京都山城地域でバイクデビューされた方、慣らし運転をしたい方は参考にしてみてください。