2023年5月10日の訪問記を追記しました。
三重県の棚田と検索すると名所として出てくるのは次の3つ。
- 三重県亀山の「坂本棚田」
- 三重県松阪の「深野のだんだん田」
- 三重県熊野の「丸山千枚田」
さらに、この中でも超有名なのは「丸山千枚田」であることは間違いありません。
ということで、「じゃあ熊野まで行ってみるか」と気軽に行ければいいのですが、京都府南部からだとかなり遠い。
そこで京都府南部や滋賀県南部、奈良県北部、大阪府の東側にお住いの方が棚田の美しさを楽しみたいなら、おすすめなのが三重県伊賀市にある「西山の棚田」です。
西山の棚田の場所
国道163号線、県道138号線からアクセスすると迷わずに到着できます。
行き慣れている人ですと不安はないと思いますが、この地域を初めて訪問される方からすると、途中「本当にそんな場所があるの?」と疑問が出てくるかもしれません。でも大丈夫です。そういう雰囲気の場所に棚田はあります。
西山の棚田とは
ものすごく簡単に説明します。三重県伊賀市西山地区にあります。
令和2年(2020年)4月に「国指定棚田地域」となりました。指定に合わせて、西山の棚田を一望できる展望公園が2020年2月28日に竣工。
西山地区にお住いの方の尽力によって、荒れていた田の修復と維持が行われています。
近くにある名所を紹介
波敷野棚田
西山の棚田から東へ向かい、国道422号線を越えるように進んだところにあります。
こちらの棚田の方が、棚田全体の面積は広いです。遠くまで棚田が続いています。
また、西山の棚田の展望公園ほどではありませんが、棚田を一望できるような休憩場所が設置されています。
車通りも少なく、空に電線も無いのでバイクの撮影場所としてもおすすめです。
西山の棚田と一緒に巡ることができる距離にあります。両方訪問してみてください。
天吹山の霊泉
場所は「伊賀コリドールロード」沿いにあります。
西山の棚田と波敷野棚田の間にあります。近くには「険道」と呼ばれる県道138号線が走ってます。
一年を通して水を汲みに来る人が絶えない霊泉です。
車で来られる方が多く、一度に2リットルのペットボトル10本くらい汲んで帰られる方を見たことがあります。ただ、こちらの霊泉は、そのまま飲んでも大丈夫なのかどうかわかりません。現場にも何も書かれていませんので、沸かしてからの方が安全かと思います。
車は3台くらい駐車できるようになっていますが、霊泉を汲む場所は一か所なのでお互いに配慮しながら使いましょう。
独り占めはいけません。休憩場所もあるので、ゆっくり順番に楽しく汲んでいただきたいです
霊泉近くにはハイキングコースもあります。
また、霊泉の前を走る道路は「伊賀コリドールロード(広域農道)」のため、車が止められるスペースや曲がり角には、印象的な看板を見ることができます。
伊賀なのでイラストは「忍者」と思いきや、乳牛と豚です。伊賀牛ではないようです。
しかし「ウルグアイ・ラウンド」ってナニ?気になった人はこちらのWikipediaをご覧ください。勉強になります。今まで知らんかったけど。
2021年10月の西山の棚田
2021年の10月には、鮮やかな赤のジャケットを羽織ったスマートな方が東屋にいらっしゃいました。
2022年に入ってからは、梯子の方しかいらっしゃいません。
10月20日は稲刈りも完全に終わった後なので、畦だけが青々として棚田の輪郭が目立っています。
ところどころ刈り取った稲の根元から新芽が出ている田もあります。二毛作の地域ではないので、このまま来年まで放っておくことになります。地域によっては稲の後に小麦を育てるところもあります。
2022年4月の西山の棚田
4月5日の西山の棚田は、田植えの準備が少しずつ進んでいました。
田の土が掘り起こされ、田植えの準備が始まっています。
4月の初旬ということもあり、展望公園近くの桜が満開。
春になったので、この辺りをツーリングするバイクも増えてきました。
春らしい木漏れ日も気持ちいい展望公園です。
そして4月らしく、展望公園に植えられている「ミツマタ」が見頃を迎えていました。
来年はもっと大きく育ってほしいです。3年くらいしたら群生地になってほしい。
ムスカリもひっそりと咲いています。
少しずつ手が入っています。展望公園がにぎやかになってきています。
2022年5月の西山の棚田
5月15日の西山の棚田は、田植えが始まりました。
これぞ「棚田」という景色です。水の入った田が鏡になって空を映します。
こういう風景を維持したいですが、手間と労力がかかります。維持するのは簡単ではありません。農作業はできません(全く役に立たない)ので寄付など出来ることで協力する必要があります。
展望公園の近くには、こんな花も咲き始めていました。
何度見ても美しい棚田。
そして4月には見頃を迎えていた「ミツマタ」ですが、花の時期は終わり、青々とした葉が勢いよく育っています。
棚田の中でも田植えが難しそうな部分も田植え機が活躍していました。
スマホで田植え中の光景を動画撮影されてました。時代だなぁ~
2022年6月の西山の棚田
6月8日の西山の棚田は、苗が育って伸びていました。
一カ月ぶりに訪問しましたところ、新たな試みが行われていました。
無料プレゼントに続いて、地元で採れた「小梅」の販売も。1袋100円です。
1袋購入してZ125PROのシートバッグへギュギュっと入れて帰りました。「カリカリ小梅」と「梅ジャム」を作ると奥さんが宣言しております。展望公園の前には「小梅」を強くアピールする看板も登場。
確かに「激安」です。嘘はありません。
小梅に気を取られて、棚田を楽しむのを忘れそうになってました。危ない。棚田の苗が育っています。
少し伸びた苗で棚田が緑に変わっています。
山から風が降りていくと、伸びた苗の先がそよそよ動きます。都会では見られない風景です。
で、展望公園でもうひとつ見ておきたいのが花や木です。なんと、これまでは目立たなかった「ホワイトジンジャー(花しょうが)」が一気に大きくなっています。
イロハもみじもしっかりと育ってきています。秋の紅葉が楽しみです。
「ミツマタ」は花がなくなり、勢いのある葉っぱだけになっています。暑い夏を越して大きく成長してほしいです。3年後くらいには小さな群生地になってくれるとうれしいなぁ。
これから京都府南部は梅雨に入ります。苗が成長する時期ですので、次回の訪問では苗の背がもっと高くなっていることでしょう。
2022年7月の西山の棚田
7月17日の西山の棚田は、苗が育ってかなり伸びていました。田んぼの水面が見えなくなっています。
棚田らしさが高まった風景になっています。成長中の緑が美しい。
遠くに見える南側の棚田も苗がすくすくと育っています。
引き気味で見ると、緑の絨毯が広がっていることがわかります。時折り風が山側(北側)から吹くことで、育った苗がそよそよと揺れるのも風情があります。
棚田の展望公園に植えられている「ミツマタ」ですが、こちらも根付いたようで夏の準備に入っていました。
天気予報では雨雲が夕方から近づいてくると言っていましたが、お昼過ぎなのでまだまだ快晴。
足元を見ると木の幹に苔が育ってきていました。かなりしっかりとくっついています。
さらに、足元を見ると木漏れ日が当たる部分の多肉植物が、めちゃくちゃ元気に成長中。水はけが良くて、風も適度に当たって、太陽の日が強すぎずに当たる場所のようです。
棚田の展望公園から出発し、棚田と同じ目線から撮影してみました。
青空と雲と苗の色合いが大変美しいポジションでした。都会では感じることが難しい、緩やかな時間の進み具合を体験できる場所です。
これから京都府南部や三重県西部は猛暑(酷暑)に入ります。苗がグングンと成長していく時期です。次回の訪問では苗が若い稲になっていることでしょう。
2022年8月10日の西山の棚田
8月10日の西山の棚田は、稲草が育ってかなり伸び、稲穂が少し垂れていました。
多くの人がイメージする日本の原風景に近づいてきています。
上から眺めると、穂が頭を下げるように垂れていることがわかります。
遠くを眺めると、棚田の美しさがわかると思います。
そして8月は、また新しい試みが行われておりました。「西山棚田米」の販売です。
バイクなので購入して持って帰るのは難しいですが、車で来たら買えるかなと思いまして、購入方法を探して見たところ、こういうチラシが東屋に置かれているのを発見。
「ご入用の方はご連絡下さい。」と書かれているではないですか。でも、このチラシには連絡先が書いてありません。そこでもう一枚のチラシを見たところ
現自治会長様まで連絡する必要があるということはわかったのですが、、、連絡先が書いてありません。購入できない・・・。
ということで新米の購入は諦めまして、展望公園の移り変わりを撮影しました。
ここに到着する前、名張市~伊賀市を通過したのですが、その時は一時的な豪雨に見舞われました。しかし、ここは快晴。
ちょっと場所が変わるだけで天候が変化します。訪問される方は雲の流れにご注意ください。
来月9月は稲刈り時期に入っているはずです。次回の訪問では稲穂が大きく垂れていて金色の絨毯になっているか、既に稲刈りが終わっているか。
2022年8月28日の西山の棚田
8月二度目の棚田訪問。8月28日の西山の棚田は、、、稲刈りが始まっていました。
棚田全体が黄金色になっているところを見たかったのですが、タイミングを逃しました。
稲刈りが順に行われています。次々とコンバインが刈り取っています。
翌日になれば、ほとんどの稲は刈り取られていることでしょう。
そう考えると、一歩手前のタイミングで訪問できたのは運が良かったということです。
棚田を訪問した後は、広域農道~県道50号線~国道422号線を走って帰りました。
さて、9月の西山の棚田は、どんな風に変わっていることでしょう。
2022年9月17日の西山の棚田は新米紹介
すでに稲刈りが終わっていますので、もしかすると新米が購入できるのではないかと思いまして、2022年9月25日(日曜日)に開催される「西山産 農産物直売会」のお知らせに記載のあった電話番号へ連絡させていただきました。
気さくで丁寧な方が電話に出ていただき、精米5kgを2つお願いしました。電話したのが9月15日。引き取りに行くのが9月17日のAM11時とお約束させていただきました。
当日は、西山公園(棚田の近く、西山公民館の南向かい側)で待ち合わせ。
10分くらい待っていただき、遅れて私たちが到着。無事お会いし購入できました!
持ち帰って、まずは新米を撮影。
その日のうちにさっそく炊飯。炊き立てのご飯を見ると艶が違います。そして、ひとくち食べるとわかりますが甘いんですね。スーパーで販売されているコシヒカリとは違います。
ご飯が大好きな方は購入してみてください。5kgだったらバイクでも積んで走れます。10kg袋はキャリアがハンターカブみたいにゴツイなら大丈夫。
2022年9月25日の農産物直売会でも販売されるということですので、当日訪問すれば5kgまたは10kg(以前は3kgもあったらしい)の新米が購入できます。※農産物直売会は、私たちが待ち合わせした場所(西山公園)で開催されます。
2022年11月13日の西山の棚田
11月13日の西山の棚田は、、、来年の稲作のための準備状態に入っていました。
いわゆる“土づくり”と呼ばれる期間です。
展望公園の植物も来年に向けての準備に入っています。ミツマタは来年の開花に向けて、すでに花芽が成長していました。
このままの状態で寒い季節を過ごし、来年の初春に花が咲きます。
展望公園のまわりの木も紅葉が始まり、養分を根に蓄えつつあります。
そして、今回変化があったのが「梯子を登る人」が代替わりしたことです。こちら、前回までの「梯子を登る人」です。
今回代わった「梯子を登る人」です。
背が高くなりましたが大きな違和感はありません。というのも、この人、以前は東屋でクマのぬいぐるみを抱いていた人です。
キリッとした表情です。性別は不明。ジェンダーレス。
気になったのが着用されているブルゾン。奈良のバイク店「MUKAI」さんのものです。
ドリームホンダでもなく、カワサキプラザでもなく、アルパインスターでもデグナーでもなく、MUKAIを選ぶとは。これは「西山住民はわかっているよ」という意思表示ではないでしょうか。そしてライダーへ「集まってほしい」というメッセージと勝手に解釈しました。
また、梯子の位置も以前より道側へ出てきています。ライダーの目にも止まりやすくなりました。ライダーはここで休憩して西山の景色を楽しんでください。
少しずつですが、11月後半に入るとお正月の準備が始まります。しめ縄とか門松とか、干し柿とか御餅とか、自宅で作っておられる農家さんもあると思います。スーパーの広告ではなく人の生活で季節がわかる。これが都会とは違う郊外の良いところです。
2022年12月10日の西山の棚田
12月10日の西山の棚田は、、、ほとんど変化はありません。
一部分だけに野菜が栽培されておりました。
ミツマタも蕾の状態を維持しております。でも、よく見ると、ほんの少しだけ開いている気もします。
ミツマタって、こういう状態で冬越しするんですね。
開花してからしか見たことがないので勉強になります。
で、今回の訪問で目を引いたのが「クリスマスツリー」です。
近くに寄ると飾り付けがよくわかります。
飾りの中でもダントツに注目したのがコレ
世界的に有名な「ス〇-ピー」風のワンコ電飾(完全ハンドメイド)。
さらに、棚田展望公園への入り口近くには、サンタクロースが待機してお出迎えしておりました。
木を斜めに切った断面へサンタクロースが描かれています。西山には絵心をお持ちの器用な方がいらっしゃるようです。
去年は、こういうイベントは無かったので、「地域でもっと盛り上げよう!」という意気込みを感じました。
世の中はお正月へ向かって進んでいます。今年は棒鱈が高い!ちりめんじゃこも高い!数の子も高い!この流れだと、お正月の蒲鉾も一個1000円グループが安いラインナップになるのではと危惧しています。
例年とはちょっと違った経済的緊張感を覚えながら、今年の「西山の棚田」訪問は終了です。また来年、西山地区の方、よろしくお願い致します。
2023年3月1日の西山の棚田
3月1日の西山の棚田は、、、農作業待ちの状態でした。
土が綺麗にひっくり返されてます。鳥達、大喜びでしょう。
展望公園のミツマタの蕾が膨らみはじめました。
黒をバックにするとミツマタがはっきりとわかります。
さらに、果物も展示中。実だけが枝にデコられてました。
ネコヤナギも「ねこ」っぽくフワフワ状態に。しかし、さすが柳です。明らかに増殖してる。
そして今回から催し物の告知が行われるようになりました。「西山農産品 直売所」の開催です。
3月は18日(土)、19日(日)。両日共に9:00~16:00の開催です。場所は展望公園ではなく、展望公園の近くにある駐車場兼公園です(お間違いなきよう)。
お近くの方は、ぜひご来店ください。「西山の棚田米」も販売されている予定なのでご賞味ください。ご飯がススムお米です(うちは4回リピート購入しています)。
西山の棚田も知名度が上がってきたらしく、今年はこういうイベントが増えていくようです。
2023年5月10日の西山の棚田
5月10日の西山の棚田は、、、田植えが終わりかけていました。
棚田へ水が入ったので、一面「鏡」のようになっています。
展望公園で梯子に昇っている人ですが、従来の方が戻ってきました。
そして、最近まで梯子に昇っていた人ですが、東屋でPR嬢をされているようです。
一歩近づいて名札を見ると、『西山農産物のPR嬢 棚子ちゃん(年齢:18歳+α)』と自己紹介されていました。今の時代に「PR嬢」って、最近はジェンダー問題があり聞かなくなった単語ですが、ここでは健在。
棚田展望公園の植物もスクスクと成長しています。
そして、おそらく4月から始まったと思える「棚田俳句」もありました。
また、展望公園の近くの公園で催されている直売会も継続中。
5月は20日(土)、21日(日)。両日共に9:00~16:00の開催です。場所は展望公園ではなく、展望公園の近くにある駐車場兼公園です。
6月は18日(土)、19日(日)の予定。
お近くの方は車で「西山の棚田米」を購入しに出掛けてみてください。おすすめです。