三重県の棚田と検索すると名所として出てくるのは次の3つ。
- 三重県亀山の「坂本棚田」
- 三重県松阪の「深野のだんだん田」
- 三重県熊野の「丸山千枚田」
さらに、この中でも超有名なのは「丸山千枚田」であることは間違いありません。
ということで、「じゃあ熊野まで行ってみるか」と気軽に行ければいいのですが、京都府南部からだとかなり遠い。
そこで京都府南部や滋賀県南部、奈良県北部、大阪府の東側にお住いの方が棚田の美しさを楽しみたいなら、おすすめなのが三重県伊賀市にある「西山の棚田」です。
西山の棚田の場所
国道163号線、県道138号線からアクセスすると迷わずに到着できます。
行き慣れている人ですと不安はないと思いますが、この地域を初めて訪問される方からすると、途中「本当にそんな場所があるの?」と疑問が出てくるかもしれません。でも大丈夫です。そういう雰囲気の場所に棚田はあります。
西山の棚田とは
ものすごく簡単に説明します。三重県伊賀市西山地区にあります。

令和2年(2020年)4月に「国指定棚田地域」となりました。指定に合わせて、西山の棚田を一望できる展望公園が2020年2月28日に竣工。

西山地区にお住いの方の尽力によって、荒れていた田の修復と維持が行われています。

近くにある名所を紹介
波敷野棚田

西山の棚田から東へ向かい、国道422号線を越えるように進んだところにあります。
こちらの棚田の方が、棚田全体の面積は広いです。遠くまで棚田が続いています。


また、西山の棚田の展望公園ほどではありませんが、棚田を一望できるような休憩場所が設置されています。


車通りも少なく、空に電線も無いのでバイクの撮影場所としてもおすすめです。

西山の棚田と一緒に巡ることができる距離にあります。両方訪問してみてください。
天吹山の霊泉

場所は「伊賀コリドールロード」沿いにあります。
西山の棚田と波敷野棚田の間にあります。近くには「険道」と呼ばれる県道138号線が走ってます。

一年を通して水を汲みに来る人が絶えない霊泉です。

車で来られる方が多く、一度に2リットルのペットボトル10本くらい汲んで帰られる方を見たことがあります。ただ、こちらの霊泉は、そのまま飲んでも大丈夫なのかどうかわかりません。現場にも何も書かれていませんので、沸かしてからの方が安全かと思います。

車は3台くらい駐車できるようになっていますが、霊泉を汲む場所は一か所なのでお互いに配慮しながら使いましょう。

独り占めはいけません。休憩場所もあるので、ゆっくり順番に楽しく汲んでいただきたいです

霊泉近くにはハイキングコースもあります。

また、霊泉の前を走る道路は「伊賀コリドールロード(広域農道)」のため、車が止められるスペースや曲がり角には、印象的な看板を見ることができます。

伊賀なのでイラストは「忍者」と思いきや、乳牛と豚です。伊賀牛ではないようです。
しかし「ウルグアイ・ラウンド」ってナニ?気になった人はこちらのWikipediaをご覧ください。勉強になります。今まで知らんかったけど。
2021年10月の西山の棚田

2021年の10月には、鮮やかな赤のジャケットを羽織ったスマートな方が東屋にいらっしゃいました。

2022年に入ってからは、梯子の方しかいらっしゃいません。

10月20日は稲刈りも完全に終わった後なので、畦だけが青々として棚田の輪郭が目立っています。


ところどころ刈り取った稲の根元から新芽が出ている田もあります。二毛作の地域ではないので、このまま来年まで放っておくことになります。地域によっては稲の後に小麦を育てるところもあります。


2022年4月の西山の棚田

4月5日の西山の棚田は、田植えの準備が少しずつ進んでいました。

田の土が掘り起こされ、田植えの準備が始まっています。

4月の初旬ということもあり、展望公園近くの桜が満開。



春になったので、この辺りをツーリングするバイクも増えてきました。

春らしい木漏れ日も気持ちいい展望公園です。

そして4月らしく、展望公園に植えられている「ミツマタ」が見頃を迎えていました。


来年はもっと大きく育ってほしいです。3年くらいしたら群生地になってほしい。

ムスカリもひっそりと咲いています。

少しずつ手が入っています。展望公園がにぎやかになってきています。
2022年5月の西山の棚田

5月15日の西山の棚田は、田植えが始まりました。

これぞ「棚田」という景色です。水の入った田が鏡になって空を映します。


こういう風景を維持したいですが、手間と労力がかかります。維持するのは簡単ではありません。農作業はできません(全く役に立たない)ので寄付など出来ることで協力する必要があります。

展望公園の近くには、こんな花も咲き始めていました。


何度見ても美しい棚田。

そして4月には見頃を迎えていた「ミツマタ」ですが、花の時期は終わり、青々とした葉が勢いよく育っています。


棚田の中でも田植えが難しそうな部分も田植え機が活躍していました。

スマホで田植え中の光景を動画撮影されてました。時代だなぁ~
2022年6月の西山の棚田

6月8日の西山の棚田は、苗が育って伸びていました。


一カ月ぶりに訪問しましたところ、新たな試みが行われていました。

無料プレゼントに続いて、地元で採れた「小梅」の販売も。1袋100円です。

1袋購入してZ125PROのシートバッグへギュギュっと入れて帰りました。「カリカリ小梅」と「梅ジャム」を作ると奥さんが宣言しております。展望公園の前には「小梅」を強くアピールする看板も登場。

確かに「激安」です。嘘はありません。

小梅に気を取られて、棚田を楽しむのを忘れそうになってました。危ない。棚田の苗が育っています。

少し伸びた苗で棚田が緑に変わっています。



山から風が降りていくと、伸びた苗の先がそよそよ動きます。都会では見られない風景です。

で、展望公園でもうひとつ見ておきたいのが花や木です。なんと、これまでは目立たなかった「ホワイトジンジャー(花しょうが)」が一気に大きくなっています。

イロハもみじもしっかりと育ってきています。秋の紅葉が楽しみです。

「ミツマタ」は花がなくなり、勢いのある葉っぱだけになっています。暑い夏を越して大きく成長してほしいです。3年後くらいには小さな群生地になってくれるとうれしいなぁ。

これから京都府南部は梅雨に入ります。苗が成長する時期ですので、次回の訪問では苗の背がもっと高くなっていることでしょう。
