関西のツーリング初心者の方へ。おすすめのルートとして、険道と広域農道と田舎道をまんべんなく実体験し、「これで初心者は卒業した!」と感じられるコースを紹介します。
私は既に30年以上バイクに乗っているため、初心者を卒業したときの感覚は薄れていますが、それでもソロで初めて険しい峠や高速を走るツーリングへ出掛けたときは、「ちょっとはステップアップできたな」と自画自賛したことは覚えています。
今回のコースを安全に走り終えていただき、「これでほとんどの道は走って楽しめそう!」と自信を持っていただければ幸いです。
関西ツーリング初心者こそチャレンジ!三重の険道~広域農道体験コース by GoogleMap
このブログは2021年11月7日、気温20℃という11月にしては暖かい日に走ったコースです。
まだまだ暖かい日が続いていたため、気温の低い地域も走りましたが、あまり紅葉はしていませんでした。
国道163号線で笠置の「ドライブイン大扇」へ
※Googleマップの[A]からGoogleマップの[B]へ
私たちは木津川市在住なので、Googleマップの[A]で示している「セブンイレブン」からスタートしました。
前方の交差点を左折し、国道163号線を走っていきます。しばらく住宅街の中を走行すると、木津川を渡る橋が出てきます。
橋の前方に「木津川橋」の交差点が出てきます。この交差点を左右に走っているのが、昔からある国道163号線です。
木津川橋の交差点を右折し、笠置方面(東へ)走ります。右手に木津川が流れています。
行楽シーズンに入った日曜日ですから、普段よりも車の量は多め。
日差しは強くて気温もそこそこ高いのですが、風が強いため思っていたほど暖かくありません。これから走るルートを考えると、途中トイレ休憩できそうな場所がないことはわかっていたので急遽「ドライブイン大扇」へ。
ドライブイン大扇の前は、多くのライダーが集まっていて混雑していたので、隣のローソンへ入りました。
秋晴れで絶好のツーリング日和なので、国道163号線を行き交うバイクの多いこと。
ネットで語られている「バイク人気の高まり」を感じます。しかし、いつまで続くのだろう。2年先かな?初めての車検が来たら手放す人が増えて、中古車市場が上玉で溢れて賑やかになるかも。狙いどころかもしれません。
島ヶ原から県道(険道)686号線で峠越え
※Googleマップの[C]から[D]へ
ドライブイン大扇でトイレ休憩をしてから、国道163号線を東へ走行再開。しばらく走ると右手に「笠置キャンプ場」が見えてきました。絶好の秋晴れなのでキャンプ場もテントとタープで溢れているかと思っていると・・・
思っていたほどではなったですね。天気が良くても寒さには勝てないのかもしれません。
その後、国道163号線を道なりに進むと、島ヶ原の交差点「町」が出てきます。ここは直進します。
直進すると橋が出てきますので渡っていきます。
すると県道305号線と県道686号線に分かれる交差点が出てきます。ここがGoogleマップの[C]です。
交差点を右折し、県道686号線へ入りましょう。二車線あるのでツーリング初心者の方も安心して走行できます。
程よいカーブもあり、バイクの楽しさを実感できます。
カーブの途中に「島ヶ原カントリークラブ」への入り口が正面に出てきますが、間違って入らないように気を付けてください。県道は左コーナーです。これを示しているのが上での写真の「赤い矢印」です。
左コーナーを駆け抜けて進むと、放置されて錆びている軽バンが。
軽バンを横目にしながら、程よく木が茂っている区間を快走します。
なだらかな二車線区間で、対向車もいないので後方を撮影。
道路脇は若干荒れ気味ですが、道路そのものは整備されているので初心者の方も自信を持って快走してください。
長い直線区間を快走していると、前方に分かれ道が出てきます。そして、左隅には「名阪国道 治田IC」の標識があります。
この分かれ道のポイントが、Googleマップの[D]です。別れ道は細くて狭い直進と、広めの右折があります。右折はこんな感じです。
私たちの後方から走ってきた自動車は全て右方向の治田IC方面へ入って行きました。しかし、原付二種に乗っている私たちは「あえて」直進を選びました。こっちの方がおもしろそうなので。
何といっても「山本きのこ山荘」の看板が興味を引きます。「お気軽にどうぞ」という誘い文句も、この道の状態を考えると魅力的です。ということで、後方からやってくる自動車のドライバーからは、「おかしなやつらが直進した」と思われているのだろうと想像しつつ進みました。
直進して狭い道へ入ると、期待通りの荒れ模様。最近、雨は降っていないと思うのですが、水たまりが出来ています。
写真の露出が暗くて見づらいですが、雑草が茂っている間の道を進んで行きます。一応、路面はアスファルトなんですけど、長く修復されていないようで凸凹が多い。そして、轍が出来たままになっています。
基本的にはキープレフトで走りますが、轍にタイヤを取られると転倒の可能性が高くなるので、対向車に注意しながらできるだけ平坦な部分を選んで走りました。凸凹区間が終わると、今度はいきなり路面に落ち葉。
道の端に寄りすぎると水分を吸った落ち葉でタイヤが滑りそうになります。ご注意ください。
荒れた路面に注意しながら進むと「山本きのこ山荘」の看板が!ここを右折すると「きのこ村」のゴルフ場へ行けるようですね。残念ながら私はゴルフをしないので通過しました。山荘はオープンしているなら行ってみたい気はします。
きのこ山荘の看板を通過し進んで行きます。前方が少し開けました。
山の中に向かって県道が続いています。何もないので初心者の方は不安になるかもしれませんが、気持ちを引き締めて進みましょう。舗装されている道を走っている限り、日本で遭難することはほとんどありません。
山の中へ続いている県道を、ゆっくり進んで行くと初心者卒業の自信を持てる峠が出てきます。次の写真は峠の入り口付近の様子です。
路面は舗装されていますが荒れています。小石も転がり、道幅は狭くなりました。道の端は水分を含んだ落ち葉が積もっています。できるだけ道の中央を対向車に注意しながら走りましょう。
峠の入り口から進むとカードレールのない、自然を満喫できる区間になります。鬱蒼と茂っている木々が美しいです。
さて、次の写真を見てください。右へ下っていくコーナーが見えます。ここから大変険しい区間になります。モンキー125は1速と2速で走りました。慌てずゆっくりリラックスして進みましょう。
写真を見ればわかります。険道です。気分はアドベンチャー。冒険気分を楽しめます。
勾配のきつい下りです。下りながらの左コーナーが待っています。左コーナーは回り込んでいるので、モンキー125は1速で安全走行。バイクは絶対に寝かさない。バンク角よりも安全第一走行。
続いて前方にカーブミラーがあります。ミラーが下を向いています。次は下りの右コーナーが待っています。
コーナーを通過すると、今度は左コーナーです。コーナー外側は谷です。そしてガードレールはありません。路肩も崩れやすそうな雰囲気。オーバーランすると落下します。山肌側を走行するのが安全です。
左コーナーを通過すると、今度は下りの右コーナーが待っています。いったいいくつ曲がればいいんだろう。
コーナーを通過すると直線になりました。ガードレールもあります。余裕を感じます。
少し余裕が出てきたので、後方のZ125PROを撮影してみました。
ロードモデルの125ccでも問題なく走ってきたようです。クロスカブ110やハンターカブなら全く問題なしで走行できます。グロムも大丈夫でしょう。で、前方を見ると、また右コーナーの下りですよ。
倒れかけた竹に注意しながらコーナーを通過します。前方が明るくなってきました。峠が終わったようです。
標高が高いからでしょう。紅葉しています。
集落が出てきました。おそらく住んでいる人も、「こいつら、わざわざ山を越えて来たんか」と呆れ気味ではないかと思います。
集落を通過していくと、他の集落の道と合流しました。
合流した道を進むと、T字路にぶつかります。
ここを左折して県道82号線へ向かいます。
道なりに進むと、変則的な交差点に出てきました。
少しだけ左寄りになっている直進へ向かって進みましょう。
ここで県道686号線から県道82号線に入ることができました。後は直進です。
治田のアニマル公園で休憩
※Googleマップの[E]へ
美しく整備された県道82号線を直進します。
先ほどまでの県道686号線とは、まったく別物です。二車線の快走区間です。峠の疲れを癒しましょう。
かなり先まで見渡せる区間です。平坦な二車線なのでスピードの出過ぎには注意しましょう。
秋晴れの下を快走していくと、T字路に突き当たります。標識を見ると左折が上野、右折が山添です。ここを右折します。
右折すると非名阪国道25号線です。このあたりは整備されています。亀山方面の国道25号線とは違います。
黒瀧神社を通過して進むと、県道687号線との交差点が出てきます。近くには「治田IC」の標識も出ています。
まずは県道687号線の交差点を、ほんの少しだけ直進します。すると左手にこんな公園が出てきます!
動物が集合している公園です!中には「ぴょんぴょん」と座って跳ねて楽しめる馬と羊が二頭います。そこで私たちは勝手に「ぴょんぴょん公園」と名づけました。ここがGoogleマップの[E]です。
「ぴょんぴょん公園」の方から、県道687号線へ入る交差点を見ると、こういう風景になっています。
かなり広い公園です。カバを中心にして六角形か八角形の跡が見える気がするのですが、何かイベントがあったのでしょうか?大きなテントが張られていたのかもしれません。
それでは、公園に在籍している動物たちを少しアップで紹介します。
やはりバイク(鉄馬)に乗る者としては、馬を見たら乗っておかないといけません。
伊賀コリドールロードを使って名阪上野忍者ドライブインへ
※Googleマップの[F]を経由して[G]へ
伊賀コリドールロードで名阪上野忍者ドライブイン
「ぴょんぴょん公園」で休憩した後は、交差点から県道687号線へ入り、治田ICへ向かいます。
治田ICから原付二種は名阪国道へ入れませんので、名阪国道の下をくぐります。
名阪国道をくぐるとガソリンスタンドがあります。給油ポイントとしても使えそうです。
ガソリンスタンドを通過し、若干の上り坂を駆け上がっていきます。
駆け上がり、すぐに下ります。整備された県道が続きます。交通量も少ないです。
これは懐かしい。藁ぶき屋根の家です。天井から虫やヤモリが落ちてくるんですよね~。
藁ぶき屋根の家を見ながら直進していると、左手にファミリーマートが出てきます。
ファミリーマート伊賀予野中央店です。このあたりは目印になるものがあまりありませんので、コンビニは貴重なランドマークです。コンビニを通過してから500mほど進むと、わかりづらいのですが左手に公民館が見えます。そして交差点があります。
ここがGoogleマップの[F]です。
交差点から前を見ると、こんな景色です。
右手を見ると、花垣神社へつながる赤い橋が見えます。
そして、私たちが走る「伊賀コリドールロード」方面の左です。
交差点を左折して、広域農道「伊賀コリドールロード」を楽しみましょう。アクセルを開け続ける区間です。
紅葉には少し早い時期でした。雨が降って気温が下がってくれると、この景色も一気に変わります。
伊賀コリドールロードを北へ向かって走っていると、このあたりで有名な「ねぎぼ~ず」の倉庫が出てきます。
「ねぎぼ~ず」を過ぎたあたりから、展望が開けてきます。遠くの山や街並みが見えます。
しばらく、自動車専用道路のような広域農道を進みます。すると名阪国道の高架が見えてきます。
名阪国道「大内IC」から200mほど西側の高架下をくぐります。
高架をくぐったら、本当にスグのところにある名阪国道の側道へ右折して入りましょう。
側道から右手(南側)を見ると、真横に名阪国道が走っています。
少し先に駐車場とトイレのマークが見えてきます。そこが大内ICに隣接する「名阪上野忍者ドライブイン」です。
ちょっとした休憩や、トイレ休憩に使いやすい場所にあります。広域農道を走って疲れた場合は休憩しましょう。
名阪側道を探索
さて、今回はここからちょっと探索することにしました。
というのも、名阪国道の真横には側道が走っていますので、どこまで行けるのかを確かめたかったからです。
ドライブインの前を通っている側道で、東へ向かって進みました。
こんな風に、頭の上を名阪国道が走っています。
しばらく側道を直進すると、「通り抜けできません」の看板が。
前を見ると進めそうなので行ってみます。
進めない雰囲気はありません。どこまで行けるのか試してみます。
前方左に少し大きめの建物が見えます。
この建物のあたりで右折しかできなくなりました。右折してみると・・・こんな立て看板が。
堤防に入ってはいけないことが看板からわかります。しかし、写真の左端に写っている歩道のような部分。ここをバイクで通過していいのかどうかが書かれていません。
ただ、いきなりバイクで入ってキップを切られても嫌なので、バイクを降りて徒歩で登って見ました。ここがGoogleマップの[G]です。
歩道のようなところから南側を撮影しました。
歩道のようなところの端に、工事看板がありました。国土強靭化は書いてますが、バイクが走っていいかどうかは書いていません。どこにも見当たらないのです。
特に有意義な情報もなかったので仕方なく降りてきました。おそらく「通行止め」になっていないので、バイクのエンジンを切って、押していけば「歩行者」なので通れなくはないでしょう。
どうしたものか。もう少し調べてからの方が良さそうという結論になりまして、今回はここで引返すことに。地元の派出所か警察署へ行って対面で確認してみたいと思います。
しかたないので先ほど走ってきた道(名阪側道)を戻っていきます。
少し走ると、大型車は通行できない「あぜ道」を見つけました。右折して進んできます。気分は少しアドベンチャー。
期待どおり、ちょっと広い「あぜ道」です。
途中から伊賀コリドールロードへ向かって進みました。
この先で伊賀コリドールロードへ合流します、右折して伊賀上野方面(北)へ向かいます。
原付二種でも程よい速度で楽しめる区間です。前方も見やすいので快適に走れます。田畑と山を見ながら走ってください。右手には遠目に「伊賀城」が望めます。
正月堂前を通って自信を確認
伊賀コリドールロードと国道163号線が合流する交差点「長田」を左折します。Googleマップの[H]です。
163号線を西へ向かって走ります。ここまで走って来られた初心者の方は、すでに「少々の道でも走れそう」と自信をお持ちだと思います。
ただですね、結構いろいろな道を走ってきているので、距離は出てないですが精神的に疲れています。そこで、コンビニで休憩を取りましょう。
コンビニ前にはクリスマスイメージのリースが飾られていました。11月ですからね。気温も少し下がってきたので、イートインで休憩。
20分ほど休憩したので、正月堂へ向かって走っていきます。
正月堂が近づくと、道路が整備されています。これ、最近です。
途中、目を引く光景を見つけました。
見守り案山子でしょうか?無断ゴミ捨てへの威嚇でしょうか?
そんなことを考えながら集落を通過します。
集落を抜けると田畑しかなくなります。
こういう雰囲気の道が出てきても、険道を経験された方は、余裕の道に変わっていると思います。
大きな工事をしている近くを走って、「道の駅みなみやましろ村」よりも北側から国道163号線へ合流します。合流ポイントがGoogleマップの[I]です。
ここからは自由解散でお願いします
国道163号線へ出たら右折し、私たちは京都方面へ走っていきます。
木津川に陽の光が反射している、美しい時間帯に遭遇できました。
和束町へ続く府道5号線と別れる交差点で赤信号になりました。
コキアは「ほうき草」とも呼ばれてます。乾燥させて反対向けにすると「ほうき」として使えるから。そしてコキアの種は「とんぶり」なんですね。
信号が青に変わったので再スタート。国道163号線を西へ向かって走っていきます。新しくできた木津川橋の手前で、鳥の団体を発見!
点々の部分を拡大してみました。
鳥たち、木津川に向かって佇んでおります。椿井文書に出てくる「木津川原着到状」をイメージしてしまいました。山城の国一揆のときは、こんな感じで主だった人が集まったのかもしれません。
今日の〆は、いつものカフェで休憩。
休憩して帰宅しモンキー125のメーターを見ると94.1km。いろいろな道を走ったわりには距離は短いコースでした。
さいごに
今回のコースは、初心者の方にも馴染みのある「国道」。入ったことのないような「険道」。スムーズに走れる「広域農道」。最後は「険道」とまではいかないけれど、それなりに狭い道を満遍なく走れるルートになっています。最初から最後まで走ってもらうと、初心者から卒業できる自信を持ってもらえると思います。
なかなか走っていても自信を持てない。そういう方は試してみてください。走ってみると「意外に大丈夫」ということ、多いです。そして、その「大丈夫」が自信につながり、これまでよりも遠いところへ旅するきっかけになります。