2022年後半、レッドバロンの電熱グローブがバージョンアップしました。HEATからHEAT2になったことで、バッテリー残量が目で見て確認できるレベルメーターが付加されました。

そんな記事を「モトツーリング」で発見。そこで以前から冬にバイクで走ると「手の指先と手の甲が寒くてたまらん!」と訴えておりました奥様が、冬もできるだけ快適に走るべく、意を決してレッドバロンの電熱グローブ購入の決心をしました。

まずはネットで探しましたが・・・

バイクアイテムの購入というと、うちではネット通販か、いつものショップがデフォルトなので、まずは検索しました。しかし、レッドバロンの電熱グローブは「レッドバロンの店頭販売のみ」という事実を知りました。

「そうか、お店へ足を運ばせて、店内のバイクを見せて購入したくなる作戦だな」と勘づきましたが、店頭販売だけなので仕方ありません。近くのレッドバロンへ電話して在庫確認をしました。

なんと旧タイプが在庫あり!

レッドバロンへ電話して、奥様が使いますので「サイズSはありますか?」とお聞きしますと、なんと旧タイプ(HEATの方)のサイズSが店頭在庫で残っているとのこと。

ここで男性の方だと「サイズなんてそんなに気にしなくても」と感じる方も多いですが、女性の場合は「サイズS」と小さめのグローブであっても、実際に手にはめてみないとフィット感が全くわかりません。というのも、主にサイズSのグローブも男性向けに作られていますので、どうしても小指と薬指の部分が過剰に余ってしまうグローブが存在するからです。

この2本の指の部分が過剰に余ると、クラッチレバーは何とかなるとして、ブレーキレバーを引くときにグローブの余った指部分がレバーに引っかかることがあるんです。これ、スッと思っているようにレバーが引けないのでかなり怖い。冬なので積極的なブレーキングはしませんが、それでも自分のイメージと違う動きになるとドキッとすることにかわりはありません。

このような理由があるので、店頭で一度は手にはめてみる必要があるわけです。で、今回は店頭在庫にサイズSがあるということなので、その日のうちに早速店頭へ(かなり寒い日だったので車でレッドバロンへ)。

店頭でスタッフさんに声かけすると、旧タイプのグローブが出てきました。実際に手にはめてみると・・・。まぁ、予想通りなのですが小指と薬指部分が若干長い(過剰な余りではなかったので良かった)。人差し指と中指、親指部分は何とかなりそう。

そんな感じだったので、サイズ感は問題ないと判断。ここで悩ましいのが、HEAT2にするか旧タイプにするか。HEAT2は注文すれば入荷するとのことなので在庫的には問題なし。

改めてHEAT2のバージョンアップ内容をチェックすると、バッテリー残量のメーター機能以外は大きく変わっておりません。ホント、それ以外は変化なし。別サイズのものも店頭にあったので確認させてもらってのですが素人には違いがわかりません。難易度の高い「7つの間違い探し」のようです。

悩んでいるとスタッフさんから、「旧タイプは若干値引き対象」というセールストークが。これで決まりです。迷わず旧タイプのサイズSを現金で購入(カードは使えませんでした)。

あってもなくても支障のない機能は「無い方を選ぶ」。これが30年以上バイクに乗ってきた経験値です。機能が増えると故障率がアップします。例えばバッグだと機能が増えると雨の侵入口が増えるだけです。使わない機能は邪魔になるだけです。バイクアイテムはシンプル・イズ・ベスト。

レッドバロン電熱グローブ『ゼロスグローブHEAT』

購入後、家で開封しました。

フルセットケースの表側
ZEROS GLOVEのケース裏側

セットになっているので、中身を出してみました。

ケースを含んで4点セット
  • グローブが1対(あたりまえ)
  • バッテリーが2つ(四角くて薄い)
  • バッテリー充電器が1つ

以上。誠にシンプルな製品です。

グローブの表側と裏側も見ておきましょう。

手の甲側
手のひら側

オーソドックスなウィンターグローブです。最近のグローブのように、過剰にプロテクターが付いていないのが好印象です。

手を入れる部分の折り返しがうれしい

手首部分のベルト、手を入れる部分のボアの折り返し。ウィンターグローブの基本がわかっている作りです。これは良い。

温度調整は3段階。数年前から販売されている電熱ベストと同じ使い方です。長押しでONとOFF。ONしてから1回押すたびに温度が1段階アップ。シンプルです。

操作性はシンプルでわかりやすい

この電熱グローブですが、一般的に販売されている電熱ベストと違って気をつけないといけないのがバッテリー。

充電器と接続したところ

バッテリーの電源口がUSBではありません!

USBじゃないのですよ

イヤホンのミニプラグと同じような形状のものです。

ですから、モバイルバッテリーを持ち歩いていても、屋外でモバイルバッテリーから電熱グローブのバッテリーを充電することはできません。また、モバイルバッテリーを使って電熱グローブに電源供給することもできません。追加で電源が必要な場合は、予備のバッテリーを購入しておく必要があります。

予備のバッテリーはレッドバロンの店頭で注文できるようです。寒い冬に200km以上走る人は追加購入を検討しましょう。

電熱グローブのサイズ感

下の写真ですが、左から

  • 手首が短いショートタイプ
  • 一般的なロード用
  • ウィンターグローブ
  • レッドバロン電熱グローブ『ゼロスグローブHEAT』
手首から後ろの長さの違いに注目

手首部分から後ろ(肩側)に注目です。ゼロスグローブは、かなり長い。これは走っているとき、手首から風が入りにくいので大変良い。ウィンターグローブの基本をわかっているデザインです。

バッテリーを使って暖かくしなくても、ウィンターグローブとして十分に機能的に使えるアイテムだと僕は感じています。こういうウィンターグローブ、最近は減ってますのでレッドバロンさんに感謝です。

このように大変良いアイテムなのですが、1点注意してもらいたいことがあります。レッドバロン電熱グローブ『ゼロスグローブHEAT』のゴム紐部分を引っ張る黒いプラスチックの留め具。これ、留め具と持って強く引っ張るとゴム紐が留め具から「パチン」と外れます。

外れたときはゴム紐とプラスチックが接着できるボンドで補修してください。すでに1回外れましたので修復しました。

電熱グローブの暖かさ

購入してから、毎回100km~130kmくらいを何度か走行しました。気温が低い日もあれば、高い日もありましたが総じて快適。

100km~130kmくらいを走行して実測

暖かさですが、温度が最も低い状態でも指先や手の甲が「ホンノリ暖か」。「めちゃくちゃ暖かい」「春みたい」ということはありませんが、バイクを停めてグローブを外したとき、手がホンノリ暖かくなっているくらいなので快適です。

こんな感じになります

温度を中にすると、外気温2度くらいでも暖かさを実感できます。ちなみに温度を高にすると、熱すぎて使えませんでした。ヤケドしそうな雰囲気です。この温度設定は極寒での使用だけですね。京都府南部では必要なしです。

電熱グローブのバッテリー持続

温度設定が最も低い状態ですと、100km~130kmくらいの走行距離ではバッテリー切れは起こしませんでした。家に着いてからも少し余裕がありました。

ですので使い方としては、冬の100kmツーリングがベストです。ツーリング中に最も寒いときだけ「中」にし、後は「低」で走行するとバッテリー切れの心配がかなりなくなります。

※冬に100km以上走行し、温度も「中」を維持したい人は予備のバッテリーが必須です。

さいごに

レッドバロン電熱グローブ『ゼロスグローブHEAT』ですが、冬に100kmくらい走りたい人には向いているアイテムです。また、電熱グローブとして使わなくても、ウィンターグローブとして十分に使えるアイテムなので、冬用グローブを購入したいけれど迷っている人は、このグローブで悩みが解決します。

これまで30年以上、冬にバイクを乗ってきていますが、どのメーカーのウィンターグローブも

  • ゴワゴワ・もこもこ
  • もっさり・指が動きにくい
  • 春物グローブと比較すると間違いなく操作性は良くない
  • ブレーキレバーが引きにくい
  • アクセルが回しづらい

というのは値段に関わらず同じでした。画期的に良かったウィンターグローブに出会ったことがありません。

これは寒さを防ごうとすると仕方のないことだと思います。そんな現状をわかっていると、レッドバロンの電熱グローブは秀逸なアイテムだと思います。

カラーも黒でデザインもシンプルなので、どんなバイクにも(どんなジャケットにも)似合います(邪魔しない)から、おしゃれさが気になる女性の方にもおすすめです。