冬のバイクは、どんなに言い訳をしても寒いです。仮にどれだけ防寒対策をしたとしても、絶対に「暖かくて最高」ということにはなりません。これは30年以上バイクに乗って走ってきて実感しています。
でも、そんな思いを何度も何度もしてきても、やっぱり冬の寒い季節でも走りたいわけです。
そこで今回は、寒い季節も走りたいという、ちょっとおかしな思考の方に向けて私がこれまでにやってきた、そして今もやっている対策方法をお話します。口だけの情報、どこかの情報を集めただけ、アフィリエイトで売りたいだけ。そんな内容ではありませんので、他サイトと食い違いもあると思います。
冬のバイクの寒さ対策
冬のバイクの寒さ対策は、次の順序で考えないと効果を発揮できません。重要なポイントを先にお話すると、こういうことになります。
- 隙間風を入れない(防風)
- 体温を逃がさない(保温)
- 暖かくなる工夫をする(発熱)
3つの首を対策しよう
とても大切なポイントを言います。次の3つの「首」から風が入らないようにしましょう。
- 首(顎のラインから下)
- 手首
- 足首
中国漢方でも言われていますが、3つの首をしっかり守るとカラダを温めやすくなる(体温を奪われにくくなる)のです。
大切なのは防風対策(隙間風対策)
私は(奥さんも)次のような対策をしています。
首にはネックウォーマー。または、バンダナを巻く。
手首はジャケットの袖をしっかりとグローブの手首の中へ入れる。
足首にはホームセンターでも販売されている、表側がナイロンで内側がフリース生地になっている「足首ウォーマー」をパンツの裾の外側から装着。
これだけでも隙間風が入りにくくなるので、寒さを防げます。ここで忘れやすいポイントとしてお伝えしたいのが、高額ヘルメットについている、「夏は快適な通風口」の閉じ忘れです。真夏でも走っていると涼しいさを感じられる機能だけあって、冬に開けていると寒さが増します。冷えて頭と顔が痛くなります。
風対策の次に保温対策をする
風の進入を防いだ後に対策することで効果が出るのが保温対策です。
最近では、ワークマンやユニクロで保温性能の高いウェアがありますので着用しましょう。ヒートテック系のインナーウェアは薄いのに保温性能が高いのでおすすめです。
また、冬でも夏でもバイクで快適なのが「シルク」のインナーウェア。「男の絹」というシリーズが百貨店やネットで販売されていますので、2~3着もっているとロングツーリングでも快適に過ごせます。当然ですが、キャンプツーリングにも最適です。
保温対策でのポイントですが、できるだけ薄手のもので性能の高いものを選ぶことです。というのも、冬のバイクの装備はモコモコします。ジャケットだけでもモコモコするので、できるだけジャケットのインに着用するウェアは薄手がおすすめです。
冬でも走りたい人向けアイテム
それでは冬の寒い時期でも走りたいという人へ向けて、実際に使ってきた(今も使っている)アイテムを紹介します。
ハンドルカバー
休日のツーリングだけなら必要ありません。しかし通勤なら「なくてはならない」アイテムです。
ハンドルカバーは、バイク全体のシルエットを考えるとカッコよくはありません。どんなに高額なハンドルカバーでも、カッコよくなることはあり得ません。しかし、どんなに高価な冬用グローブよりも効果を発揮することも間違いないのです。シルエットよりも実用性優先なら、迷うことなくハンドルカバーを取り付けましょう。
ちなみに、とても寒い(京都の場合は冷たい)中を走るときは、モンキー125もZ125PROも、こんな風にハンドルカバーを装着します!
HONDA モンキー125へハンドルカバーを装着
KAWASAKI Z125PROへハンドルカバーを装着
4ストミニに装着すると笑っちゃうくらいハンドルカバーがデカく見えます。でも、無いよりはマシです。排気量に関係なく、手を暖かく快適に走りたいならハンドルカバーを装着しましょう。30年以上の経験から絶対におすすめ。
追加するなら、ハンドルカバーの内側上部へ貼れるタイプの使い捨てカイロを付けると、ヌクヌク状態にできます。
ハンドルカバーで注意しておきたいのが、ハンドルの取り付け部分の防風対策です。きっちり装着できない場合は、隙間にホームセンターや100円均一で売っているスウェット生地や、なければ軍手や靴下をギュッギュッと隙間へ詰め込めと風の進入を防げます(ワイヤーやレバーが動くかどうか確認しておきましょう)。
冬用グローブ
これは必需品です。春夏秋で使うグローブより、操作性は格段に落ちます。しかし、冬の寒い中を走るとき、繊細な操作が必要になる走行をするでしょうか?私はしません。だってタイヤがグリップしませんから。カラダがスムーズに動きませんから。
ということで、結果論ですが、冬は無茶な運転をしないためにも、操作性を犠牲にした冬用グローブがおすすめです。
で、冬用グローブを選ぶ時のポイントですが、ロング仕様のものを選びましょう。手首部分がしっかりと隠れるグローブの方が防風防寒効果が高まります。
オフロード用のグローブ仕様は冬走行には向きません。
薄すぎて寒い。メッシュになっているものが多いので隙間風がガンガン入る。手首部分が露出するので隙間風が寒すぎる。気合を入れないと厳しいです。
寒さ対策として2022年12月に「レッドバロン電熱グローブ『ゼロスグローブHEAT』」を購入しました。
詳しくは下のブログで紹介しています。
ネックウォーマー
フリース生地のネックウォーマーや、バンダナを首元に巻きましょう。これ、かなり効果的です。不都合な部分は首の部分がモコモコするので、動かしづらいことですね。しかし寒さには勝てませんので、奥さんは常に装着して走っています。
首元は前からの風が浸入しやすいので、カラダ全体を冷やす原因になります。特に女性の方は冷えやすいので、薄手のバンダナでも良いので巻いておくとカラダの芯の冷え方がマシになります。
足首ウォーマー
レーシングブーツやツーリングブーツ、ガチのオフロードブーツですと、くるぶしよりも上までブーツがありますので隙間風が入りづらいです。しかし、ショート丈のブーツやスニーカーのようなシューズですと足首部分から隙間風が入ります。これを防ぐために使えるのが足首ウォーマー。
私は表がポリエステル、裏がフリース生地になっているものを、パンツの裾部分の上から装着しています。とにかく裾部分を抑えて風の進入を防ぐことが大切です。
冬用ジャケット
冬に走るならもっておかないと厳しいアイテムです。
私のは南海部品のSDW-829というフライトジャケットっぽくなっているものです。購入したのは1990年だったと思いますので、2022年現在で32回の冬を一緒に走って過ごしています。
奥さんのはRSタイチの冬用ジャケットです、これもすでに20年選手です。
どちらも破れることもなく、寒さに耐えられないような状態にならないため、未だに買い替えする気になっていません。このように冬用ジャケットは長持ちしやすいので(夏みたいに汗をかきにくいので傷みやすい)、ちょっとくらい高いものでも高機能ジャケットを購入しておくと、長く快適に愛用できます。
ウィンドブレーカー
冬用ジャケットの下に着ることで防風対策できるのが、ウィンドブレーカーです。
別に特別なものではなく、ユニクロの薄手のものです。でも、これがあるだけで風の進入がかなり変わります。春先まで使えますので重宝します。
また、春先や初夏の早朝、秋など出発時だけ冷え込むときに着こんでおいて、お昼間の気温が高いときは脱いでバッグへ。帰り道は寒くなるので着ておくということが簡単にできます。
インナーウェア
インナーウェア(いわゆる肌着)ですが、おすすめなのがコレ!
- ユニクロのヒートテックシリーズ
- シルクの肌着
お肌が敏感な方で、動物性の繊維が大丈夫な人はシルクがおすすめです。
また、ツーリング+キャンプを楽しむ方は、ヒートテックよりもシルクの肌着をおすすめします。理由はちょっと優雅で豊かな気分になれるから。
電熱ウェア
寒がりな人は電熱ウェアもおすすめです。うちでは奥さんがウィンドブレーカーの下に、チョッキタイプの電熱ウェアを着こんでいます。
モバイルバッテリーで暖かくなるので、ちょっとくらいの寒さでも気にせず走っています。
電熱アイテムは、グリップヒーターやシートのヒーター、足先のヒーターなどもありますので、自分の寒さ加減で導入してみてください。
オーバーパンツ
冬の走行に欠かせないのがオーバーパンツです。
下半身に関しては、パンツの下にモモヒキを穿くという方法もありますが、結局のところ外側から防風対策する方が寒さを感じにくくなります。そのためオーバーパンツは最適なアイテム。
私はRSタイチのオーバーパンツを愛用しています。膝部分に若干多めに綿が入っているので、風が当たりやすい膝からの冷えが緩和されます。
また、足首部分に防風対策がされているので、かなり快適です。
奥さんは、スポーツ用品店で購入したナイロン素材のウェアをオーバーパンツの代わりに使っています。
これだけでも寒さが緩和されています。
ブーツ
できるだけ足首部分が隠れるもの。そして足先が分厚いものを選んで履くとマシです。
私はガエルネのショート丈のブーツを愛用しています。くるぶしが隠れるタイプなので、足首部分だけ防風対策すれば快適になります。
奥さんはアルパインスターのショート丈のブーツ。こちらも、くるぶしが隠れるので足首部分だけの対策で問題なし。
冬に走る人は、できればスニーカータイプはやめておいた方が寒さ対策しやすくなります。
ノーズカバー
最近販売されているのを見かけなくなったのですが、ヘルメットのノーズ部分に内側から装着するゴム製のカバーが昔は売られていました。主にレイン走行で曇り止めに使う想定の商品だったと思います。
暖かいことはありませんが、直接風が顔に当たりにくくなるのと、メガネの曇りを軽減してくれます。
バイクで走ると風が当たって唇が荒れやすい人にもおすすめです。
合羽
ここまでの装備でも、寒いときがあります。
多くの場合、雪が降ってくる前の冷え込みです。こういうシーンに出くわした場合は、モコモコになって後方が見えづらくなりますが合羽を着ましょう。合羽は雨や雪の水分と風の進入を防いでくれます。
あまり防寒効果が感じられなかったアイテム
購入して試してみましたが、あまり効果が感じられなかったアイテムもあります(自己評価のみです)。
トゥウォーマー
足先の寒さ対策用に販売されている「つま先防寒」アイテムです。
装着して走ってみましたが、あまり効果を感じることができませんでした。電熱が入るタイプなら効果はあると思います。
ナックルガード
ハンドルのところに装着するアイテムです。
かなり大型のナックルガードなら、それなりに防風効果が出ます。しかし、アチェルビスのナックルガードのような「林道で役立つ」系のアイテムは、防風効果を感じることはありませんでした。
ただ、ナックルガードも良いところがあります。それは大型ハンドルカバーを装着しやすくなることです。ナックルガードに支えてもらえるので安定します。
ナックルガードは、
- 道で転倒した時のダメージ軽減
- 林道走行で手を守る
- レースで隣のバイクや選手と接触して前ブレーキが動作するのを防止
こういう目的のアイテムなので、防寒防風に大きな期待を持つのはやめておきましょう。
さいごに
冬のバイクは寒いです。どうがんばっても、何をやっても「暖かくてたまらない」という状態にはなりません。
できることは、少しでも寒さを減らすことだけです。
今回の内容が、私のように「季節に関係なく走りたい!」という、かなりおかしな人のお役に立てれば幸いです。