原付二種(50cc~125cc以下)を購入する場合、忘れてはいけないのが保険です。しかし、やみくもに加入すると保険料ばかり高くついてしまいますし、何も考えないと補償が低くて「いざ」というとき役に立たないことも。

保険というものは、補償と費用のバランスを考えて加入しないといけませんよね。

バイクに乗って30年以上の経験から、保険の必要性と加入する場合のポイントをお話しします。

原付二種(125cc以下)の保険について

原付二種を所有し公道を走るには、大きくわけて以下の3つの保険が義務または任意にて必要になります。

  • 自賠責保険(義務です)
  • 任意保険(任意です)
  • 盗難保険(任意です)

それぞれの保険について、30年のバイク生活の経験からお話ししていきます。そのため、ネットで活躍されているFPさんや保険屋さんとは意見が違っていると思います。

原付二種(125cc以下)の自賠責保険

原付二種だけに限りません。公道を走る自動車(バイクも二輪の自動車です)は全て「自賠責保険」への加入が義務付けられています。

そのため、「お金を出したくないから」というような理由で自賠責保険が未加入のまま公道を走るのは違法です。

しかし、自賠責保険の補償内容は「最低限」です。賠償額を見るとわかりますが、以下のようになっています。

  • 被害者が死亡した場合の最高額は3,000万円
  • 被害者が後遺障害を負い介護が必要になった場合の最高額は4,000万円

正直なところ、全然足りていないです。こんな最高額で納得してもらえることはないでしょう。

そして賠償額以外にも注意しておきたいのが、自賠責保険は「被害者への人的被害」のみの補償だということです。ここ大事!

ということは、以下のようなケースでは補償がありませんので、自腹で賠償金を支払うことになる可能性が高いです。

  • 対物の損壊修理費用(例:バイクで突っ込んでお店を壊しちゃった→修理必要)
  • 対物損壊による休業損害(例:お店が壊れたので営業できない→売上補償)
  • 原付二種運転者の治療費(例:ライダーがケガした→治療費)
  • 原付二種同乗者の治療費(例:タンデムの人もケガした→治療費)

このような現実がありますので、冷静に判断できる人なら「自賠責保険」だけじゃ足りないことがわかると思います。

原付二種(125cc以下)の自賠責保険料

自賠責保険料は義務ですから、どの保険会社を選び、どこのショップ(損保代理店)で加入しても費用は同じです。

保険期間保険料(参考)1年あたりの保険料
12か月(1年)7,070円 7,070円
24か月(2年)8,850円4,430円
36か月(3年)10,590円3,530円
48か月(4年)12,300円3,080円
60か月(5年)13,980円2,800円
令和3年(2021年)4月1日現在

保険をはじめとする「サブスクリプション」にありがちですが、長く加入した方が安くなる仕組みです。

自賠責保険の加入は、現実的に考えるなら最初から1年で乗り換える予定がない限りは「2年」がベストな選択だと私は思いますし、私自身そうですが30年以上バイクに乗ってきて2年しか使ったことがありません。2年以上を選んだのは、新車で750ccを購入したときだけです。

原付二種ですと、魅力的なバイクが2年くらいの間に登場するかもしれませんので、乗り換えることも視野に入れて「2年」を推します。

原付二種(125cc以下)の任意保険

任意保険とは、自賠責保険でカバーできない損害を補償するものです。

ただし「任意」なので、加入するかどうかはあなた次第。任意保険の加入でご自身が納得しておきたいのは次のポイントです。

  • 自分自身のケガの補償
  • 同乗者のケガの補償
  • 物損事故の損害補償
  • 対人事故の補償

また、これは人それぞれですが、バイク初心者の方や旅先での修理が苦手な方は「ロードサービス」も保険の対象になるかどうかがポイントになります。

具体的には、次のようなことが旅先で発生した場合です。

  • パンクして動けなくなった
  • バッテリーがあがって始動できない
  • 旧車に乗っていてエンジンが止まった
  • キャブレターが外れた
  • スポークが5本以上折れてタイヤがブレる

パンクは修理キットを持っていれば何とかなります。バッテリーあがりは、ミッション車なら押し掛け。押し掛けが難しい場合は、大変親切な人をつかまえて、ジャンピングスタートさせてもらえれば解決します。ただ、どちらも苦手という方は、ロードサービスがついていると安心できます。

残りの3つはロードサービスを使っても動ける状態にできるとは思えませんので、購入されたショップか、ショップが迎えに来てくれるところまで運んでもらうことになります。

さらに、万が一事故に遭遇した場合、あなたに代わって話をしてくれる「弁護士特約」などもついていると心強いです。というのも、最近は「わけのわからないこと」を言ってくる人がいますし、事故処理を進めない人もいます(過去に居た)。こういうとき、あなたの貴重な時間を浪費して、気分を悪くするのは人生の中で大変無駄なことです。そこで、専門の弁護士さんに代理してもらう。これがスムーズで気分も少しは楽なまま進められる方法です。

で、任意保険の加入を具体的に検討すると選択肢になるのが「ファミリーバイク特約」。自動車の任意保険に付帯できる125cc以下のバイクの任意保険特約です。

ファミリーバイク特約はこんなメリットがあります。

  • バイク単体の任意保険(バイク保険)よりも掛け金が安くなることが多い
  • 仮にファミリーバイク特約で保険を使っても、翌年の保険等級は変わらない
  • 年齢による制限を受けない
  • ひとつのファミリーバイク特約で家族全員分をカバーできる

反対にデメリットはこんな感じです。

  • 車両保険はない
  • ロードサービスはない

ファミリーバイク特約ではなく「バイク保険」の場合であれば、車両保険やロードサービスが入っているプランもあります。ただし、バイク単体の保険なので費用は高くなります。125cc以上のバイクに乗っている人ならご存じのとおりですね。

こんな感じになるのですが、あくまでも私の経験から申し上げますと原付二種の任意保険は、既に自動車の任意保険に加入している家族がいるのなら「ファミリーバイク特約」で良いと思っています。いらっしゃらない場合は「バイク保険」に加入しましょう。

ちなみに私は普通乗用車の保険にファミリーバイク特約をつけて、モンキー125とZ125PROで使っています。

どちらも任意保険なので加入しなくても、特に罰則があるわけではありませんが、万が一のことを考えると入っておくほうがいいです。そして任意保険の条件ですが、次の部分は満たしておきたいところ。

  • 対人無制限
  • 対物1000万円

対人への損害は無制限がベスト。というか、これ一択。

対物は1000万円以上を進める保険屋さんもいらっしゃいますが、実際に一度でも軽い自損事故を起こすとわかります。対物の損害賠償で1000万円以上必要になる場合、おそらくですが、ライダー自身が死んでます。

お金にゆとりがあるのなら、両方とも無制限でも良いと思うですが、そうはいかないので、こういう条件で私は30年加入しています。

盗難保険

「盗難保険」は、最近では新車購入時にメーカーからの案内があります。私も2020年にホンダのモンキー125を購入したとき、ホンダさんの盗難保険への案内がありましたので、そのまま加入しました。奥さんのZ125PROもカワサキから案内がありましたので加入済。新車の場合、3年くらいは盗難保険に加入しておきたいと経験から思います。

特に2021年に入ってからは、二輪車の中古市場の高騰や盗難が増えているため、盗難保険に加入できるのなら入っておいてください。万が一の場合、少しですが慰めになります。

というのも、バイクは基本的に盗難に遭うと「ほぼ」出てきません。仮に運良く出てきても、原型を留めていない可能性の方が高いため、ホントに慰め程度ですが「何もないよりはマシ」ということで加入しておきましょう。

さいごに

原付二種でも公道を走行するなら、自賠責保険だけではなく任意保険にも加入しておきましょう。任意保険に加入するとき、ロードサービスや車両保険が無くてもかまいません。

任意保険で何とかしたいのは「人」に対する補償です。たしかに1年間無事故だと「もったい」と感じるかもしれませんが、事故に遭う、事故を起こす、というのは誰にも予測できません。仮に自分がマナーと法律を守って走行していたとしても、事故は相手があるものですから「絶対大丈夫」ということは言えません(経験から)。

だからこそ、自賠責保険は義務なので加入するとして、任意保険にも入っておいてほしいと経験から伝えたいと思い、今回は保険について投稿させていただきました。